輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

線上閱讀本庄 陸男《石狩川(いしかりがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 頁

青空文庫

「しかし、曲尺とすみ壺の仕事であるから――それを、あなた方がなさるとすれば、どういうことになるか?」

そう危ぶむ役人にむかい、そのときの阿賀妻はめずらしく血相をかえた。

「おちぶれたりとは云え、身どもらは武士」彼は歯をかみならして吼った、「二言いたすと云われてはこのまま引きさがられませぬ、拙者個人の恥辱ではない、よろしくと云われた堀どのの言葉も反故であるとするなら、拙者らこれよりサッポロにまいり、直接判官どのにお目にかかり、仕儀によっては――」

その阿賀妻が、傍らにいた松岡長吉の腕を捉えて駈けだした。ほのぼのと夜の明けるころであった。彼は役人に聞いた棟梁の一人をたずねて行ったのである。がらりと人格が変ったように、彼はそこの上り框に佩刀をおいて両手をつかえた。ながながと、慇懃に、身分姓名を名乗りだした。炉ばたにいて火を燃しつけていたお内儀さんは棒立ちになり、急に蒼ざめた。彼女はふるえながらあと退りに奥にかくれた。かわって出て来たのが亭主であった。彼はへえ、へえ――と頭をさげて隅の方を通り、急いで土間にとびおりた。さむらい自体には反感のようなものを持っていたが、身分ありげな特定の人にした手に出られると、棟梁三谷三次は遣りきれないのであった。