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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
線上閱讀本庄 陸男《石狩川(いしかりがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 頁
彼のうしろに控えていた仲間は、「そうとも、そうとも――」と笑いながらうなずいた。
「よろしい、わかった」
堀はそう云ってぷいと立ちあがった。
彼は持って来さしたお茶などはどうでもよかったのだ。見向きもせずにぬッと立ちはだかって、ぬけぬけと語るそういう連中に向い、最後の威たけだかな一喝をくらわせねばならぬ必要を感じた。内心では、聞いたことは事実にちがいないと次第にはっきり信じられて来たのだ。彼の胸には、サッポロの彼らの使庁を采配している岩村判官の得意げな顔が見えるようであった。その男の感じたこと、考えたことが直ちに施設となるような、その場あたりの脆弱な方針が目に見えて来る。羞かしいのだ。今は対等に、いや、支配者として臨んではいるが、数年前の社会では、とにもかくにも一藩の家老として立てられていた阿賀妻の前で、こういう話は、微禄の前身をさらけだすような羞恥であった。
「オロシャの蚕食」といい、「蝦夷の鎮撫」といい、つまりは「北門の開発」という言葉だけの美しさを、どう、どこから解決してよいのか。これという見当もついていない有様である。取りあえずサッポロ本府の建設と二三の道路の開鑿、――そしてその次には、遊女屋の設置を計画しなければならないような考えで進められていたのか。