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いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
線上閱讀本庄 陸男《石狩川(いしかりがわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 頁
その他は、とおい父祖の代から順次に享けつがれ、孫子の末まで譲られるであろうとぼんやり考えていた城廓も城地も、ある日、降って湧いた変転に召しあげられていた。宗藩の祖である政宗公がまだ跼蹐した頃、これはその居城であった。間もなく仙台の青葉城に移って、彼は、彼の第六子宗泰にあたえ、それから十代のあいだ、二百五十余年は、そこにその家臣とともに棲みついていた。本丸の下には君侯の居があった。つづく大広間に於いて一藩の大事が吟味された。興武館に武技をみがいていた若いさむらいは、こういう変化が彼らの足もとを掬おうと夢にでも考えたことがあるだろうか。真実その技を試す隙もなく、その技はぴたりと封じられた。あの日の宣告が、彼らの屋敷を彼らのものでないものとし、彼らの身分を彼らの身分から追放するとした。しばらくは右往左往であった。
やがて、時の経過が人々をおちつかせる。しかし、昨日は傍らに歩いていた朋輩が今日もその通りに並んでいると考えてもよいのだろうか。ながい留守の時間があった。
西にまわった秋の陽は大急ぎでかくれようとしていた。峨々として見える、まゆ墨色のかなたの山々が、三陸の海岸であろう。