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じんじゃごうしにかんするいけん
神社合祀に関する意見
南方 熊楠
線上閱讀南方 熊楠《神社合祀に関する意見(じんじゃごうしにかんするいけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 32,819 字 · 64 頁
それは過度ならんも、漁夫より漁神を奪い、猟夫より山神を奪い、その祀を滅するは治道の要に合わず。いわんや、山神も海神もいずれもわが皇祖の御一族たるにおいてをや。神威を滅するは、取りも直さず、皇威に及ぼすところありと知るべし。
西洋に上帝を引いて誓い、また皇帝を引いて誓うこと多し。まことに聞き苦しきことなり。わが国にも『折焚く柴の記』に、何かいうと八幡神などの名を引いて誓言する老人ありしを、白石の父がまことに心得悪しき人なりと評せしこと出でたり。されば、梵土には表面梵天を祀る堂なし。これ見馴れ聞き馴るるのあまり、その威を涜すを畏れてなり。近ごろ水兵などが、畏き辺りの御名を呼ばわりて人の頭を打ち、また売婬屋で乱妨などするを見しことあり。言わば大器小用で、小さき民や小さき所には、たとい誓言するにも至尊や大廟の御名を引かず、同じく皇室御先祖の連枝ながらさまで大義に触れざる夷子社や山の神を手近く引くほどの準備は縦し置かれたきことなり。教育到らざる小民は小児と均しく、知らずして罪に陥るようのこと、なるべく防がれたし。故に、あまりに威儀厳重なる大神社などを漁夫、猟師に押しつくるは事件の基なり。