輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しんぴこんちゅうかん
神秘昆虫館
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《神秘昆虫館(しんぴこんちゅうかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 105,803 字 · 213 頁
が、そいつは杞憂であった。数合の太刀音、数声の悲鳴、二人の武士が転がった。と、爾余の武士達が、ムラムラと左右へ崩れ立った。その隙間から毬のように、ポンと飛び出した武士がある。小一郎だ、岩を背負い、軽傷も負わぬか、たじろぎもせず、刀を付けて構え込んだ。
「野郎ども!」と英五郎は、はじめて大音を響かせた。「やっつけてしまえ、背後から! 鏖殺にしろ! 三ピンを!」
竹槍、棍棒、道中差し、得物をひっさげた百人あまりの乾児、ワーッとばかり鬨の声を上げた。英五郎を先頭に君江までが、武士達の一団へ切り込んだのである。
しかしこの時何んという、不思議なことが起ったのだろう!
森の奥から気味の悪い、妖精じみた叫び声が、はっきり二声聞こえたのである。
「お山を穢すな! お山を穢すな!」
それからゴーッという音がした。
それから大水が流れて来た。河というよりも滝というべきで、石を転ばせ木を倒し、灌木の茂みを根こそぎにし、そうして人間を押し流した。小一郎はどうしたろう? 一ツ橋家の武士達はどうしたろう? 英五郎や君江達はどうしたろう?。
さてその日から数日経った。
ここは森林の底である。