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こうせんぜんじのことども
禅堂生活
鈴木 大拙
線上閱讀鈴木 大拙《禅堂生活(こうせんぜんじのことども)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 27,634 字 · 57 頁
禅は余りに貴族的で、選ばれたものだけの宗教であるが、真宗には誰人をも包摂する力がある。禅刹をみな真宗に改めるも亦妙ではないか、肉食妻帯お構いなしの処などは、今時の禅坊さんの尤も歓迎するところである。それはそうとして、予が始めから述べたいと思うところは僧堂教育なのである。
禅宗にはどこにも禅の特色として見るべきものがない、今日の処、禅は一派の宗旨としては、亡滅の悲運を期するより外にないと云うてよい。それにしても何とかして救いたきはその教育法である。その中に始めから居るものは、こんなものなどと云うかも知れぬが、予等の如き俗人にとりては、僧堂教育の精神ほど有り難いものはないのである。予自身の歴史から見て、僅かの年月ではあるけれども、僧堂のご飯を食べたと云うことが、どれほど予が徳性の上に影響を及ぼしたかわからぬ。今でもその時代のことを思い出しては有り難いと感謝して居る。こんな因縁だけでも、予は禅に対して報恩底のことを何か為なくてはならぬと思わざるを得ぬのである。その時代の人で下らぬ坊さんも居たとは思うが、それでも今日一方に割拠して既墜の真風を振い起さんとして居る人もないではない。