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ふくざわゆきち

福沢諭吉

高山 毅

線上閱讀高山 毅《福沢諭吉(ふくざわゆきち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 54,555 字 · 109 頁

青空文庫

「どうです、お母さん。こんなにりっぱになりましたよ。みてください。」

といいました。

お母さんやねえさんは大よろこびでしたが、兄さんは、あまりよい顔をしません。

「諭吉、たらいのたがをなおすのもよいけれど、すこし勉強をしたらどうだ。さむらいの子が、字をならわず、まるで職人がやるようなことばかりしているのは、みっともないぞ。」

せっかく、いい気持ちになっているところへ、このようにきびしくいわれたので、諭吉はむっとしました。

「兄さんは、わたしに勉強しろというんですか。いやなことだ。勉強なんて、わたしはだいきらいです。」

「では、きくが、おまえは、これからさき、なんになるつもりだ。」

「そうですね。まあ、日本一の大金持ちになって、おもうぞんぶんお金をつかってみたいものですね。」

「なにっ、大金持ちになりたいだと? 諭吉、おまえは、それでもさむらいの子か。さむらいの子というものは、お金もうけなどかんがえてはならんぞ。おまえは、まだ小さかったからおぼえてもいまいが、お父上はな、さむらいの子が金かんじょうなどならうものじゃないといって、わたしがかよっていた手ならいの先生が、かけざんの九九をおしえたら、そんな先生のところへ子どもをあずけられないといって、おこられたことがあるくらいだ。