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がくもんのどくりつ
福沢諭吉教育論集
福沢 諭吉
線上閱讀福沢 諭吉《福沢諭吉教育論集(がくもんのどくりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 97,278 字 · 197 頁
近くその一例を示さん。
旧幕府の末年に、天下有志の士と唱うる人物の内には、真に攘夷家もあり、また真に開国家もあり。この開攘の二家ははじめより元素を殊にする者なれば、理において決して抱合すべきに非ざれども、当時の事情紛紜に際し、幕府に敵するの目的をもって、暫時の間、異種の二元素、たがいに相投じたることあり。これを思えば、今の民権論者が不平を鳴らすその間に、識らず知らずしてその分界を踏出し、あるいは他より来りてその界を犯し、不平の一点において、かの守旧家と一時の抱合をなすのおそれなしというべからず。理をもって論ずれば、万々心配なきが如くなれども、通常の人は、さまで深謀遠慮なきものなり。
民権論者とて悉皆老成人に非ず。あるいは白面の書生もあらん、あるいは血気の少年もあらん。その成行決して安心すべからず。万々一もこの二流抱合の萌を現わすことあらば、文明の却歩は識者をまたずして知るべし。これすなわち禍の大なるものなり。国の文明を進めんとしてかえってこれを妨ぐるは、愛国者の不面目これよりはなはだしきはなかるべし。
論者つねにいわずや、一国の政府は人民の反射なりと。