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しゅうざんず

秋山図

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《秋山図(しゅうざんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,580 字 · 15 頁

青空文庫

何しろそういう妙画を蔵している家ですから、そこへ行けば黄一峯の外にも、まだいろいろ歴代の墨妙を見ることができるに違いない。――こう思った煙客翁は、もう一刻も西園の書房に、じっとしていることはできないような、落着かない気もちになっていたのです。

ところが潤州へ来て観ると、楽みにしていた張氏の家というのは、なるほど構えは広そうですが、いかにも荒れ果てているのです。墻には蔦が絡んでいるし、庭には草が茂っている。その中に鶏や家鴨などが、客の来たのを珍しそうに眺めているという始末ですから、さすがの翁もこんな家に、大癡の名画があるのだろうかと、一時は元宰先生の言葉が疑いたくなったくらいでした。しかしわざわざ尋ねて来ながら、刺も通ぜずに帰るのは、もちろん本望ではありません。そこで取次ぎに出て来た小厮に、ともかくも黄一峯の秋山図を拝見したいという、遠来の意を伝えた後、思白先生が書いてくれた紹介状を渡しました。

すると間もなく煙客翁は、庁堂へ案内されました。ここも紫檀の椅子机が、清らかに並べてありながら、冷たい埃の臭いがする、――やはり荒廃の気が鋪甎の上に、漂っているとでも言いそうなのです。