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しゅうざんず

秋山図

芥川 竜之介

線上閱讀芥川 竜之介《秋山図(しゅうざんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,580 字 · 15 頁

青空文庫

が、張氏はどうしても、翁の相談に応じません。あの顔色の蒼白い主人は、使に立ったものの話によると、「それほどこの画がお気に入ったのなら、喜んで先生にお貸し申そう。しかし手離すことだけは、ごめん蒙りたい」と言ったそうです。それがまた気を負った煙客翁には、多少癇にも障りました。何、今貸してもらわなくても、いつかはきっと手に入れてみせる。――翁はそう心に期しながら、とうとう秋山図を残したなり、潤州を去ることになりました。

それからまた一年ばかりの後、煙客翁は潤州へ来たついでに、張氏の家を訪れてみました。すると墻に絡んだ蔦や庭に茂った草の色は、以前とさらに変りません。が、取次ぎの小厮に聞けば、主人は不在だということです。翁は主人に会わないにしろ、もう一度あの秋山図を見せてもらうように頼みました。しかし何度頼んでみても、小厮は主人の留守を楯に、頑として奥へ通しません。いや、しまいには門を鎖したまま、返事さえろくにしないのです。そこで翁はやむを得ず、この荒れ果てた家のどこかに、蔵している名画を想いながら、惆悵と独り帰って来ました。

ところがその後元宰先生に会うと、先生は翁に張氏の家には、大癡の秋山図があるばかりか、沈石田の雨夜止宿図や自寿図のような傑作も、残っているということを告げました。