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かがくえいがのいちこうさつ
科学映画の一考察
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《科学映画の一考察(かがくえいがのいちこうさつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,522 字 · 3 頁
そういう題目をとりあげた映画を此処では「理化もの」と言っているのであるが、例えば『音楽の表情』とか『レントゲンと生命』のような場合になると、その説明に色々と迷っているようである。
映画で現象の説明をするとなると、どうしても線画が多くなるのは致し方ない。しかし線画の多いのは、どうもその映画全体を幼稚なものに見せる損があり、事実幼稚なものが多いのである。
それでこういう「理化もの」にも出来るだけ線画を少くするようにした方がよいのではないかと思う。もっとも線画を少くしたら、観客に分らすことが出来ないと思われるかもしれない。
しかしその心配はないのであって、本当のところは、映画だけでは、いくら線画を沢山使って説明しても、結局分らないものは分らないのである。例えば『レントゲンと生命』などで、あの変圧器、整流器、陰極線などの線画の説明は、作った人はあれで誰にもよく分るように現象を説明したつもりであろうし、また私たちには、説明の意図がよくうかがえて面白いのであるが、一般の観衆には結局は分らないのである。不得手な外国語では、知っていることはよく分るが、知らないことを書いてある所へ来るとちっとも分らないのとちょっと似たところがある。