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こくしんとしてのうしにかんするみんぞく
穀神としての牛に関する民俗
中山 太郎
線上閱讀中山 太郎《穀神としての牛に関する民俗(こくしんとしてのうしにかんするみんぞく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,858 字 · 12 頁
そればかりでなく我国の牛馬の分布から見るも、牛はこの和加布都努志命の本貫である出雲を中心として中国に多く飼われ、馬は近畿から東方へかけて盛んに用いられ、この事実は現在にあっても変更する所がない。そして、これだけの事実を資料として、結論めいたことを云うのは慎しまねばならぬが、どうも牛は出雲民族によって、韓国から我国に輸入され、これに反して、馬は大倭民族によって、同じく韓国から舶載したもののように考えられる。時代においては牛が馬よりも古く、分布においては馬が牛より広いと思う。さらに想像すれば、出雲系の神と云われる須佐之男命が、韓国の牛頭山に降臨したという伝説も、同命が大倭の地に棲んだと察すべき斑馬を逆剥にしたという神話も、何となくこの想像を有力ならしむるもののように解せられる。家畜の上より見た両民族の起伏は牽引力だけに強き牛に対して牽引と走駆とを兼ねし馬との消長ではなかったか。なおしいていえば、和加布都努志命の名義は和加は若、布都は名剣の持主である若き神の意と拝せられるのである。手短くいえば武神なのである。その武神が天の御領田の長となり、さらに牛飼神として祀らるとは、種々なる暗示に富む興味深い問題である。