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ほだかだけやりがたけじゅうそうき
穂高岳槍ヶ岳縦走記
鵜殿 正雄
線上閱讀鵜殿 正雄《穂高岳槍ヶ岳縦走記(ほだかだけやりがたけじゅうそうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,443 字 · 17 頁
「信飛界、岳川岳、フィシャー氏」の絶巓に攀じ登った。南穂高からは半里で、およそ二時間かかる、頂の広さ十数歩、総て稜々した石塊、常念峰のような円形のものは一つもない、東隅には方二寸五分高さ二尺の測量杭がたった一本。東南は信濃南安曇郡安曇村、一歩転ずれば飛州吉城郡上宝村、海抜約三千百十米突、従来最高峰と認められていた、南穂高を凌ぐ事実に一百余米突、群峰の中央に聖座しているから、榎谷氏のいわれた奥穂高が至当だろう。またも雲の御幕で折角の展望もめちぁめちぁ、ただ僅かの幕の隙き間を歩いた模様で、概略の山勢を察し得られたのは、不幸中の幸。
遥か南々西に位する雄峰乗鞍岳に禦るのには、肩胛いと広き西穂高岳が、うんと突っ張っている、南方霞岳に対しては、南穂高の鋭峰、東北、常念岳や蝶ヶ岳を邀うには、屏風岩の連峰、北方の勁敵、槍ヶ岳や大天井との相撲には、北穂高東穂高の二峰がそれぞれ派せられている、何れも三千米突内外の同胞、自ら中堅となって四股を踏み、群雄を睥睨しおる様は、丁度、横綱の土俵入を見るようだ。さはいえ、乗鞍や槍の二喬岳を除けば、皆前衛後衛となって、恭しく臣礼を取っているにすぎぬ。