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くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
線上閱讀海野 十三《空襲葬送曲(くうしゅうそうそうきょく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 95,012 字 · 189 頁
素六が呼びかけた。「この前うちへ帰って来たとき、また近く戦争があるんだと云ってたよ」
「おや、清二がそう云ったかい。あの子は、演習に行くと云ってきたが、もしや……」
「お母さん、もう戦争なんて、ありませんよ。理窟から云ったって、日本は戦争をしない方が勝ちです。それが世界の動きなんだから」
「戦争があると、商売は、ちと、ましになるんだがなァ。このままじゃ、商人はあがったりだ」
「なんだか、折角のお誕生日が、戦争座談会のようになっちまったね。さア私はお酒をおつもりにして、赤い御飯をよそって下さい」
黄一郎が、盃を伏せて、茶碗を出した。
「じゃ、お汁をあげましょう」お妻はそう云って、姉娘の方に目くばせした。「みどり、ちょっと、お勝手でお汁のお鍋を温めといで」
「はい」
みどりは勝手に立った。
ミツ坊は、いつの間にか、喜代子の胸に乳房を銜えたまま、スウスウと大きな鼾をかいて睡っていた。
「可愛いいもんだな」長造が膳越しに、お人形のような孫の寝顔を覗きこんだ。
「今日は、皆の引張り凧になったから、疲れたんですよ。まあこの可愛いいアンヨは」
お妻が、ミツ子の足首を軽く撫でながら、口の中にも入れたそうにした。