輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
くうしゅうけいほう
空襲警報
海野 十三
線上閱讀海野 十三《空襲警報(くうしゅうけいほう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,838 字 · 92 頁
これを聞いて、乗客たちは又色を失った。いよいよたいへんなことになった。この列車は毒瓦斯の中を通ることになったのだ。
「車掌さん、防毒面は貸してくれないのですか」
学生団から不安にみちた声がした。
「どうも配給がありませんので……」
「オイ車掌君。金はいくらでも出す。至急、防毒面を買ってくれたまえ」
一人の紳士があたり憚らない声をだした。
「お気の毒さまで……。室全体の防毒で、御辛抱ねがいます」
「じゃ君に百円あげる。拝むから、ぜひ一つ手に入れてくれたまえ」
紳士は泣きだしそうな顔で紙入をだした。
「お断りします」
車掌はキッパリいって、次の車室へドンドン歩いていった。
「おお、そこの子供くん。君は可愛い子だ」
と、紳士は旗男のところへヨロヨロと近づいた。
「二百円あげるから、その防毒面を売ってくれたまえ。私は肺が悪い、病人だ。ね、売ってくれるだろう。三百円でもいい」
旗男は困ってしまった。すると隣に腰をかけていた鍛冶屋の大将が、旗男をかばうようにしたかと思うと、食いつきそうな顔で紳士をにらみつけた。
「この馬鹿野郎!」
その破鐘のような声に吹きとばされたか、がりがり亡者の紳士は腰掛の間に尻餅をついた。