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だいにこんにゃくぼん

第二菎蒻本

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《第二菎蒻本(だいにこんにゃくぼん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,739 字 · 32 頁

青空文庫

」

直きその近所であった。

「座敷はこれだけかね。」

と俊吉は小さな声で。

「もう、一間ありますよ。」

と染次が云う。……通された八畳は、燈も明し、ぱっとして畳も青い。床には花も活って。山家を出たような俊吉の目には、博覧会の茶座敷を見るがごとく感じられた。が、入る時見た、襖一重が直ぐ上框兼帯の茶の室で、そこに、髷に結った娑婆気なのが、と膝を占めて構えていたから。

話に雀ほどの声も出せない。

で、もう一間とすと、小庭の縁が折曲りに突当りが板戸になる。……そこが細目にあいた中に、月影かと見えたのは、廂に釣った箱燈寵の薄明りで、植込を濃く、むこうへぼかして薄りと青い蚊帳。

ト顔を見合せた。

急に二人は更ったのである。

男が真中の卓子台に、肱を支いて、

「その後は。どうしたい。」

「お話にならないの。」

と自棄に、おくれ毛を揺ったが、……心配はさせない、と云う姉のような呑込んだ優い微笑。

九

「失礼な、どうも奥様をお呼立て申しまして済みません。でも、お差向いの処へ、他人が出ましてはかえってお妨げ、と存じまして、ねえ、旦那。」

と襖越に待合の女房が云った。