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はんちゅうとしてのくうかんについて
範疇としての空間に就いて
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《範疇としての空間に就いて(はんちゅうとしてのくうかんについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 45,453 字 · 89 頁
何となれば少くともその立場その問題によって養われていない人々にはこの手懸りは正に手懸りの正反対であろうから。それ故何人も彼が特に懐疑的でない限り――それは一つの築かれた立場であるから――承諾するであろう処のもの、この意味に於て常識的である処のものが手懸りとなるのでなければならない(例えば懐疑的な立場から引き出されたデカルトの Cogito は常識的ではない)。さてこのような常識的なもの、而もその内で空間の問題に固有な或るもの、それを私は「存在」と呼んだのである(前半一〇三頁を見よ)、処で吾々は存在以外に地盤を求めることは出来ないか。存在とは内界に対する外界であり、精神に対する自然であり、要するに吾々が、例えば「無い」と否定する時――「在る」と肯定する時ではなく――その尺度として用いる処のかの存在である。「在るならば見せよ」と要求する時の存在である。無論云うかも知れない。存在という言葉に対する吾々の――常識家としての――感覚はより自由であると。併しそう云う人でもそのより自由な存在と私の云う存在との区別を承認する――常識的に――に違いない。そして吾々にとってそれで充分である。