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べにすずめ

紅すずめ

小川 未明

線上閱讀小川 未明《紅すずめ(べにすずめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,210 字 · 9 頁

青空文庫

「あの太陽は、また、真っ暗な深い谷底に落ちてゆくようだ。どうして、それをだれも昔のように引き上げずとも、ひとりでに、朝になると上るのだろう。それが不思議でならない。」と、すずめは思いました。

そして、いよいよ自分が、日輪を目がけて空の上へ飛んでゆく日がきたとき、自分は、暗くなったら、太陽がああして谷底に沈んでしまって、夜になって、星の光が、うす青い奥深い空に輝きはじめたとき、どこに泊まるであろうか。そのことを、こまどりから聞かないうちは、安心して長い長い旅をつづけることができない。その間には、風が吹くこともあろう。また雨が降ることもあろう。すずめは、もう一度、ぜひあのこまどりにあって、そのことを聞こうと思いました。

ある日のこと、すずめはいっしょに、波の上を飛びまわって遊んでいた、年老ったしらさぎに別れを告げて、三年前、こまどりとあった野原をさして飛んできました。

「二、三日も探しまわったら、あのこまどりにあわれないこともあるまい。」と、すずめは思ったのです。

すずめは、木の枝に止まっては、もしや、あのこまどりの聞き覚えのある歌の声が、どこからか聞こえはしないかと耳を澄ましていました。