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こうもうけいせい
紅毛傾城
小栗 虫太郎
線上閱讀小栗 虫太郎《紅毛傾城(こうもうけいせい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 25,403 字 · 50 頁
迷信深い魯西亜の水兵どもは、綾に飛びちがう火光を外目にして、祈祷歌を、平然と唱え続けているのだ――それは沈厳な、希臘正教特有の、紛う方ない水葬儀だったのである。
一つ二つ――そうして、甲板から投げ込まれる、灰色のものを、二十五まで数えたときだった。
思わず慈悲太郎は、総身にすくみ上がるような戦慄を覚えたのである。
もしやしたら、この軍船は悪疫船ではないか……。
しかし、そう気づいた時は、すでに遅かった。後檣の三角帆から燃え上がった炎が、新しい風を巻き起こして、いまや岬の鼻を過ぎ、軍船は入江深くに進み行こうとしている。
そして、最後に二十六番目の死体が――それも麻布にくるまれ、重錘と経緯度板をつけたままの姿であるが――ドンブリと投げ込まれたとき、火気を呼んだ火縄函が、まるで花火のような炸裂をした。かくして、その軍船は、全く戦闘力を失ってしまったのであるが、その時小舟の一つから、うめきとも驚きとも、なんとも名付けようのない叫び声があがった。
というのは、一筋銀色の泡を引いて、水底から、不思議な魚族が浮かび上がってきたからである。
はじめ、水面のはるか底に、ちらりと緑色のものが見えたかと思うと、その影は、すぐに身を返して、尾をパチパチとさせ、またも返して、激しいうねりを立てる。