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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 194,628 字 · 371 頁

青空文庫

年が改まって、松の内が過ぎてからであった。妙子はわざと幸子には知らせないで、再び洋裁学院に通い始めたが、様子でそれを感付いていた幸子は、或る朝彼女が出かけようとする時、

「玉置さんの学校、始まってるのん」

と聞いた。妙子は、

「ふん」

と云いながら玄関へ出て靴を穿きかけたが、

「ちょっと、こいさん、少し話があるよってに、―――」

と、幸子は彼女を応接間へ呼び入れて、差向いに煖炉を囲んだ。

「洋裁のこともやけど、実は外にも、一遍こいさんによう聞いて見んならん思うてることがあるねん。そんで、今日は、考えてることを遠慮なしに云うよってに、こいさんもあたしには何も隠さんと、ほんとうのことを云うて欲しい」

「………」

妙子は脂の乗った光沢のよい頬に煖炉の火照りを受けながら、じっと息を詰めるようにして燃えさかる薪を見守っていた。

「そしたら、啓坊のことから聞くけど、こいさん今でも、ほんとうに啓坊と結婚する気イやのん?」

最初妙子は、どう聞かれても黙って考え込んでいるばかりであったが、幸子がこの間じゅうからの不審を、いろいろに言葉を変えて尋ねるにつれて、涙が一杯眼に潤んで来た。そして突然、ハンカチを顔へ持って行きながら、