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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 150,580 字 · 287 頁
にさせておいても別条はないと云い云いして、いつかそう云う状態が普通になっていたのであった。
そんな工合にして数年たつうちに、雪子の身の上には格別の変化も起らなかったが、妙子の境遇に思いがけない発展があったので、結局に於いてそれが雪子の運命にも或る関わりを持つに至った。―――と云うのは、妙子は女学校時代から人形を作るのが上手で、暇があるとよく小裂を切り刻んでいたずらしていたものであったが、だんだん技術が進歩して、百貨店の陳列棚へ作品が出るようになった。彼女の作るのは仏蘭西人形風のもの、純日本式の歌舞伎趣味のもの、その他さまざまで、どれにも他人の追随を許さない独創の才が閃めいていたが、それは一面、映画、演劇、美術、文学等に亘る彼女の日頃の嗜みを語るものでもあった。兎に角彼女の手から生れる可憐な小芸術品は次第に愛好者を呼び集め、去年は幸子の肝煎で心斎橋筋の或る画廊を借りて個展を開いた程であった。彼女は最初、本家は子供が大勢で騒々しいので、幸子の家へ来て作っていたが、そうなるともっと完全な仕事部屋がほしくなって、幸子の所から三十分もかからずに行ける、同じ電車の沿線の夙川の松濤アパートの一室を借りた。