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ぞくごくちゅうき
続獄中記
大杉 栄
線上閱讀大杉 栄《続獄中記(ぞくごくちゅうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,326 字 · 49 頁
身慄いがして来た。そして僕はふと立ちあがりながら、そのトンボの羽根を持って、急いで窓の下へ行って、それをそとに放してやった。
僕は再び自分の席に帰ってからも、しばらくの間は、自分が今何をしたのか分らなかった。その時の電気にでも打たれたような感じが何であったか、ということにすらも思い及ばなかった。僕はただ、急に沈みこんで、ぼんやりと何か考えているようだった。そしてそのぼんやりとしていたのがだんだんはっきりして来るにつれて、何でも糸を抜いている間に、「俺は捕えられているんだ」という考えがほんのちょっとした閃きのように自分の頭を通過したことを思い出した。それで何もかもすっかり分った。この閃きが僕にある電気を与えて、僕のからだを窓の下まで動かして、あのトンボを放してやらしたのだ。
僕は、今世間で僕を想像しているように、今でもまだごく殺伐な人間であるかも知れない。少なくともまだ、僕のからだの中には、殺伐な野蛮人の血が多量に流れていよう。折を見ては、それがからだのどこかから、ほと走り出ようともしよう。僕は決してそれを否みはしない。殺伐な遊戯、殺伐な悪戯、殺伐な武術。