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るこうしんそう
縷紅新草
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《縷紅新草(るこうしんそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,566 字 · 48 頁
「初路さんを、――初路さんを。」
これが女※(くさかんむり/(月+曷)」、第3水準1-91-26)の碑だったのである。
「茣蓙にも、蓆にも包まないで、まるで裸にして。」
と気色ばみつつ、且つ恥じたように耳朶を紅くした。
いうまじき事かも知れぬが、辻町の目にも咄嵯に印したのは同じである。台石から取って覆えした、持扱いの荒くれた爪摺れであろう、青々と苔の蒸したのが、ところどころられて、日の隈幽に、石肌の浮いた影を膨らませ、影をまた凹ませて、残酷に搦めた、さながら白身の窶れた女を、反接緊縛したに異ならぬ。
推察に難くない。いずれかの都合で、新しい糸塚のために、ここの位置を動かして持運ぼうとしたらしい。
が、心ない仕業をどうする。――お米の羽織に、そうして、墓の姿を隠して好かった。花やかともいえよう、ものに激した挙動の、このしっとりした女房の人柄に似ない捷い仕種の思掛けなさを、辻町は怪しまず、さもありそうな事と思ったのは、お京の娘だからであった。こんな場に出逢っては、きっとおなじはからいをするに疑いない。そのかわり、娘と違い、落着いたもので、澄まして羽織を脱ぎ、背負揚を棄て、悠然と帯を巌に解いて、あらわな長襦袢ばかりになって、小袖ぐるみ墓に着せたに違いない。