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びのにほんてきげんせん
美の日本的源泉
高村 光太郎
線上閱讀高村 光太郎《美の日本的源泉(びのにほんてきげんせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,919 字 · 25 頁
藤原期は、天平弘仁の彫刻隆盛の後をうけて絵画興隆の機運に恵まれた時代であり、一方には壁画をはじめとして大小の掛幅が作製され、又一方には宮廷生活の需要に応じた「源氏物語絵巻」のような絵巻物の類が創作せられた。いずれも色彩美のよろこびに溢れたものであって、壁画掛幅のような建築との色彩調和に俟つものは当然の事としても、絵巻物のような単独鑑賞の絵画にしても「源氏物語絵巻」の如きは「つくり絵」と謂われる胡粉ぬり重ねによる色彩の諧和豊麗を志している。もともと天平弘仁の彫刻そのものが既に色彩美を十全に発揮した造型であったのであるから、その後をうけた絵画が更に自由な規模による領域を発見してその色彩美をついに交響楽的綜合美にまで高めるに至ったのも自然である。
写真を掲げた一図は高野山に蔵せられる「聖衆来迎図」のほんの一部分、中央阿弥陀如来の向って右に跪坐する観世音菩薩の像である。此全画は又「二十五菩薩来迎図」とも称せられ、恵心僧都の筆という伝説のある絹本の大幅三幅に収められた一つの構図である。もとよりその全体を目前にしなければ説明もしかねるのであるが、何分にも竪六尺九寸、幅一丈にも余る大幅であるので、写真に縮小しては鮮明を欠くのでその一部分を掲げて描法の一端を示す事としたのである。