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ちゅうどく
聴雨・螢 織田作之助短篇集
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《聴雨・螢 織田作之助短篇集(ちゅうどく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,162 字 · 37 頁
「生きた、書いた、恋した」
というような言葉を選べるほど、私は充実した人生を送って来なかった。まかりまちがって墓銘を作るとすれば、せいぜい、
「私は煙草を吸った」
と、いう文句ぐらいしか出て来ないであろう。これで十分である。私は煙草を吸って来たのだ。
もっとも、そのような文句では余りに芸がないというなら、
「煙草について、私の唯一の制限は、一回に一本より余計の煙草を吸わないことであった。私はけっして眠っている間は吸わなかった。そして、眼ざめている間は、けっしてそれを捨てなかった」
とでもすれば、気が利いているだろうか。しかし、之はマーク・トゥエーンの言葉である。
マーク・トゥエーンという作家は私の読んだ限りでは大した作家ではない。まだしもオー・ヘンリーやカミの方が才能があるが、しかし、オー・ヘンリーやカミといえども二流、三流である。私はうぬぼれかも知れないが、オー・ヘンリーやカミやマーク・トゥエーンよりはましな小説が書けると思っている。
私がマーク・トゥエーンに注目しているのは、だから彼の小説に関してではない。マーク・トゥエーンは一日に四十本の葉巻を吸った。