輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

じじょでん

自叙伝

大杉 栄

線上閱讀大杉 栄《自叙伝(じじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,021 字 · 230 頁

青空文庫

「連隊長殿、ここに御真影があります。」

僕は大きな声で怒鳴りつけた。連隊長は恐縮して、敬礼して、立ち去った。僕等は非常に緊張した心持で、朝までその御真影のそばに立ち尽した。そして僕は、その間、北川大尉に対するふだんの反感をまるで忘れていた。

また、その後、と言っても僕が幼年学校を退校した後のことであるが、僕よりも一年上だった田中という男が、喧嘩で中央幼年学校を退校させられて、僕の下宿にたよって来た。田中は北川大尉と同国の伊勢だった。で、田中のおやじさんは心配して北川大尉を訪ねた。

「大杉と一緒にいるんですか。それならちっとも心配は要りません。」

田中のおやじさんは、それで安心して、息子のところへ学費を送って来た。

僕は田中のおやじさんのこの手紙を見た時、どういうつもりなのか、北川大尉の気持がちっとも分らなかった。

下士どもの僕に対する追窮はますます残酷になった。そしてついに、もう一度、あぶないところで退学されかかった。

四月の半ば頃に、全校の生徒が、修学旅行で大和巡りに出かけた。奈良から橿原神宮に詣でて、雨の中を吉野山に登って、何とかというお寺に泊った。