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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
線上閱讀大杉 栄《自叙伝(じじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,021 字 · 230 頁
僕はそいつが気味が悪いのと同時に、憎らしくって堪らなかった。で、どうかしてそいつを取っちめてやろうと思っていた。
三度目の時は石合戦だった。両方で懐ろにうんと小石をつめこんで、遠くからそれを投げ合っては進んで行った。どうしたのか、敵の方が早く弾丸がなくなって、そろそろ尻ごみしはじめた。僕はどしどし詰めよせて行った。敵は総敗北になった。が、ちょん髷先生ただ一人、ふみ止まっていて動かない。とうとうみんなでそいつをおっ捕えて、さんざんに蹴ったり打ったりして、そばのお濠の中へほうりなげて、凱歌をあげて引きあげた。
四
僕はこんな喧嘩に夢中になっている間に、ますます殺伐なそして残忍な気性を養って行ったらしい。何にもしない犬や猫を、見つけ次第になぐり殺した。そしてある日、例の障害物のところで、その時にはことさらに残忍な殺しかたをしたように思うが、とにかく一疋の猫をなぶり殺しのようにして家に帰った。自分でも何だか気持が悪くって、夕飯もろくに食わずに寝てしまった。
母は何のこととも知らずに、心配して僕の枕もとにいた。大ぶ熱もあったんだそうだ。夜なかに、ふいと僕が起きあがった。