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しぜんのめぐみ
自然の恵み
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《自然の恵み(しぜんのめぐみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,154 字 · 19 頁
これだと小指の爪くらいの大きさのものがある。小人の国の勲章といったのは、この種類の結晶のことである。まれにこの六花が二つ重なって、十二花になった結晶も降る。そういうものが見付かったら、家へ帰って、お父さんやお母さんに大威張りでふいちょうしてもよい。そして友だちを、大いに羨しがらせてやるべきである。
もっとも内地では、六花の結晶がはなればなれになって降ることはあまりない。たいていはこういう結晶が、何十或いは何百と集まって、大きい雪片となって降って来る。牡丹雪とか、綿雪とかいうのは、この雪片の名前である。牡丹雪の雪片をよく見ると、六花の結晶がたくさん集まったものであることがわかる。氷は零下十度くらいの寒さだとさらさらしているが、零度近く、例えば零下二度とか三度とかいう温度になると、少しくっつく性質が出てくる。雪の結晶は、上空の寒いところでは、はなればなれに降っているのであるが、地表近くの比較的温かいところへ来ると、落下の途中で互いに衝突した時くっついて、雪片になるのである。北海道で千メートルくらいの高さの山へ行くと、六花の結晶があまり雪片を作らずに、はなればなれに降って来る。