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じゆうとしんぽ

自由と進歩

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《自由と進歩(じゆうとしんぽ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,610 字 · 19 頁

青空文庫

問題は、それほど重大であったのである。というわけは、この論争をつきつめて行けば、結局日本は、自由国家群の考え方を可とするか、共産圏諸国の考え方に落ちつくか、というところに帰するからである。あまりにも簡単に割り切ると言われるかもしれないが、理念や文章の粉飾をとり去って、煎じつめたところは、個人主義を重視するか、全体主義的な考え方を取り入れるかという点に行きつく。

この点を説明するには、発火点となった石川氏の論文からはいる方が、一番わかり易いであろう。石川氏の説を要約すれば、次のとおりである。日本には自由が多分にあるが、その自由には方針がない。知識人は各々自己の小自由に安住していて、建設的な意図をもたない。ソ連や中国では、自由は制限されているが、建設がある。国力がどんどん充実して行き、国民の生活水準が上がることが、大きい意味での自由である。日本も何とかしなければ、近い将来に、すっかり取り残されてしまうであろう。

言葉はもちろんちがうが、本筋は大体右のとおりと思われる。この意見に対しては、知識人の間には、概して反対が多く、全体主義への復帰を危惧する声が高かった。