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しば、あざぶ
芝、麻布
小山内 薫
線上閱讀小山内 薫《芝、麻布(しば、あざぶ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,170 字 · 15 頁
竜土軒の最初の発見者は、旧白馬会の人達ではなかったかと思う。和田英作氏や岡田三郎助などが早い顧客であったことは確かである。西洋人のところでまなんだという主人のフランス料理が、パリー帰りのハイカラ画家達を喜ばせたのが人気のつき初めだったに違いない。
竜土会という会合は、その時分の文壇に非常な勢力を持っていた。勿論、その頃の文壇には党派があった。早稲田派がある。赤門派がある。文学界派がある。硯友社派がある。だが、竜土会はすべての党派を抱擁していた。誰が主将というのでもなかったが、どの党派からも喜んで人が出て来た。長谷川天渓氏が来た。川上眉山氏が来た。小栗風葉氏が来た。徳田秋聲氏も来た。生田葵山氏も来た。詩人も来た。小説家も来た。評論家も来た。画家も来た。
私のような後輩は、この会へ出席出来るというだけでも、非常な感激であり、非常な光栄だった。
竜土軒の主人は八字髯を生やした品の好い男で、耳が少し遠かった。細君は赤坂の八百勘で女中をしていた人で、始終粋な丸髷に結っていた。
ひどく料理に凝る家で、殊に竜土会の時は凝り過ぎるという評があった。紅葉山人のなくなった後だった。