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くさめいきゅう
草迷宮
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《草迷宮(くさめいきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 71,733 字 · 142 頁
まだその古樹がちらほら残って、真盛りの、朧月夜の事でした。
今貴僧がここへいらっしゃる玄関前で、紫雲英の草を潜る兎を見たとおっしゃいました、」
「いや、肝心のお話の中へ、お交ぜ下すっては困ります。そうは見えましたものの、まさかかような処へ。あるいはその……猫であったかも知れません。」
「背後が直ぐ山ですから、ちょいちょい見えますそうです、兎でしょう。
が、似た事のありますものです――その時は小狗でした。鈴がついておりましたっけ。白垢の真白なのが、ころころと仰向けに手をじゃれながら足許を転がって行きます。夢のようにそのあとへついて、やがて門札を見ると指した家で。
まさか奥様に、とも言えませんから、主人に逢って、――意中を話しますと――
(夜中何事です。人を馬鹿にした。奥は病気だからお目には懸れません。)
と云って厭な顔をしました。夫人が評判の美人だけに、校長さんは大した嫉妬深いという事で。」
三十
「叔母がつくづく意見をしました。(はじめから彼家へ行くと聞いたら遣るのじゃなかった――黙っておいでだから何にも知らずに悪い事をしたよ。さきじゃ幼馴染だと思います、手毬唄を聞くなぞ、となおよくない、そんな事が世間へ通るかい、)とこうです。