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きくもようさらやまきだん

菊模様皿山奇談

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《菊模様皿山奇談(きくもようさらやまきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 189,935 字 · 379 頁

青空文庫

忠「いえ何うも此度はむずかしゅうございます」

と是が主従の別れと思いましたからお竹の手を執って、

忠「長らく御恩になりました」

と見上げる眼に泪を溜めて居りますから、耐えかねてお竹も、

竹「わア」

と枕元へ泣伏しました。此の家の息子が誠に親切に時々諸方へ往っちゃア、旨い物と云って田舎の事だから碌な物もありませんが、喰物を見附けて来ては病人に遣ります。宿屋の親父は五平と云って、年五十九で、江戸を喰詰め、甲州あたりへ行って放蕩をやった人間でございます。忰は此の地で生立た者ゆえ質朴なところがあります。

忰「父さま、今帰ったよ」

五「何処へ行ってた」

忰「なに医者の処へ薬を取りに行って聞いたが、医者殿が彼の病人はむずかしいと云っただ」

五「困ったのう、二人旅だから泊めたけれども、男の方は亭主だか何だか分らねえが、彼がお前死んでしまえば、跡へ残るのは彼の小娘だ、長え間これ泊めて置いたから、病人の中へ宿賃の催促もされねえから、仕方なしに遠慮していたけんど、医者様の薬礼から宿賃や何かまで、彼の男が亡くなってしまった日にゃア、誠に困る、身ぐるみ脱だって、碌な荷物も無えようだから、宿賃の出所がある