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がもううじさと

蒲生氏郷

幸田 露伴

線上閱讀幸田 露伴《蒲生氏郷(がもううじさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 65,772 字 · 128 頁

青空文庫

氏郷に毒を飼ったのは三成の讒に本づくと、蒲生家の者は記しているが、氏郷は下血を患ったと同じ人が記し、面は黄に黒く、項頸の傍、肉少く、目の下微し浮腫し、其後腫脹弥甚しかったと記してある。法眼正純の薬、名護屋にて宗叔の薬、又京の半井道三等の治療を受けたとある。一朝一夕の病気ではない。想像するに腎臓などの病で終ったのだろう。南禅寺霊三和尚の慶長二年の氏郷像賛に「可レ惜談笑中窃置二鴆毒一」の句が有ったとしても、それは蒲生の家臣の池田和泉守が氏郷の死を疑ったに出た想像に本づいたものであろう。下風の謡が氏郷の父の賢秀の上を笑ったのであろうとも、一族の山法師の崇禅院の事を云ったのであろうとも、何でも差支無いと同じく、深く論ずるに値せぬ。

彼の氏郷が自ら毒飼をされた事を知って、限りあればの歌を詠ずると、千利休が「降ると見ば積らぬさきに払へかし雪には折れぬ青柳の枝」という歌を示して落涙したなどというのは余り面白くない演劇だ。降ると見ばの歌を聞いたとて毒を飼われて終った後に何になろう。且其歌も講釈師が示しそうな歌で、利休が示しそうな歌ではない。氏郷の辞世の歌は毒を飼われたのを悟って詠じたと解せずとも宜かろう。