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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《蓼喰う虫(たでくうむし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,066 字 · 216 頁
「ユーナン王とドウバン聖者の話」、「三つの林檎の話」、「ナザレの仲買人の話」、「黒き島に住む若き王の話」、―――と、そう云う風に一々標題を漁っただけでは、どれが一番好奇心を充たすに足るものか見当が付かない。もともとこの本は今まで完全な欧洲語訳がなかったと言われる亜剌比亜の物語を、リチャード・バアトンが始めて逐字的に英語に移して、バアトン倶楽部から会員組織で出版した限定版であって、殆ど各ページ毎に附いている親切な脚注を拾い読みして行くと、彼には何の興味もない語学上の研究もあるけれども、中には亜剌比亜の風俗習慣に関する解説や、多少話の内容のうかがわれる記載がないこともない。たとえば「大きく空洞になっている臍は美しいものとされているばかりでなく、幼児にあっては健やかに生い立つ兆であると思われている」と云うのがある。「二枚の門歯―――但し上顎部に限る、―――の間にほんのかすかな隙間のあるのを、亜剌比亜人は美しいと感ずるのである。どう云う訳か分らないが変化に対するこの種族特有の愛情であろう」と云うのもある。―――
「王様お抱えの理髪師は高位高官の人間であるのが普通であって、それは主権者の生命を指の間に預かる者だからと云う至極尤もな理由に依る。