輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あざみ
薊
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《薊(あざみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,800 字 · 32 頁
銕太郎はあいまいに、「そうか」と頷いて云った、「こんな季節にも咲くのか」
「あの崖下は陽溜りで暖かいんでしょう、撫子も咲いていましたよ」
銕太郎は悩ましげな眼つきで、じっとその薊の花を見まもっていた。
「このままでは萎れてしまうな」と暫くして彼は云った、「納戸から花立を出して、水を入れて来てもらおうか」
「持って来ましょう」と佐久馬が云った。
弟が出てゆくと、銕太郎はまた、机に頬杖を突いて、向うを見た。黄昏の色の濃くなった庭に、風の絶えた空から、粉雪が白く、音もなく降っていた。彼は粉雪のかなたをぼんやりとみつめてい、やがて一人の若い侍が、灯をいれた行燈を持って、足音を忍ぶようにはいって来た。