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まちのたんてい
街の探偵
海野 十三
線上閱讀海野 十三《街の探偵(まちのたんてい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,275 字 · 9 頁
軍医は、つづいて脈をじっと聞いていたが、不満そうに首をふって、
『瀉血をする、急いでくれ』
と、助手たちにいった。
瀉血が、この瀕死の被害者を救った。
『よし、これでまず何とか立ち直るだろう。――警視庁の方。訊問は今から十分間かぎりですよ。それ以上はいけません』
捜査課の幹部は、すぐに松下研究員の枕頭に集ってきた。そして彼の耳のところに口をつけて、叱りつけるように相手を励しながら、事件の重要点をたずねるのであった。
『――午後三時頃、寒くなったので、窓を全部閉めた。そうですね。――それから、午後四時にストーブを一つつけた。午後五時にあと二つのストーブをつけた。午後七時になって、急に苦しくなって、やりかけていた実験を中止した。すると部屋中にいた全員がまるでいいあわせたようにパタパタと倒れた。よろしい。――貴方も倒れた。その前に、窓のところへいって、窓を二つ開いた。その後は何にも覚えていない。――それだけですか。いやよく分りました』
被害者は、苦しそうに歯をくいしばっている。酸素のコックが、さらに大きくひねられた。
『どうだ、聞いたか』と帆村は手帖をポケットに収いながら、僕の横腹をついた。