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まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁

青空文庫

え?」

長平の顔をのぞきこんだ。

長平はウイスキーをとりだした。彼は夜中や暁方にウイスキーをのんで、うたたねする習慣であった。一日に何回もうたたねするが、まとめてねむるのは一週に一回ぐらいのものであった。

「君に会う必要もないと思っていたのだが」

青木にウイスキーをつぎ、自分ものんでから、言った。その落付きが癪にさわったらしく、青木はジリジリして、

「ハア。そうですか。何等親だか知らないが、君の何かに当ろうというこのオジサンにね。会いたくないのかい?」

青木は自分の言葉に含まれた毒気に興奮して、目をギラギラ光らせた。長平はそれをそらして、

「君は何かぼくに言いたいことがあるのじゃないか。言うだけ、言ってしまえよ」

「言うだけ言ったら、どうするのさ」

「ねむるよ」

「相変らず、自分の都合だけ考えている人だね。なんと言ったら、気がすむのかね。ワタクシが記代子嬢を誘惑しました、と言ったらいいのかい?」

「おい、よせよ。法廷とちがうのだ。だから、なにも、きいてやしないじゃないか。言いたいことだけ、言うがいいや。さもなきゃ、帰りたまえ」

「なア、長さんや。君は、ぼくがどうしたらいいと思う。