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まちはふるさと
街はふるさと
線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁
社のひけは、規則はないが、サンマータイムの六時ごろだ。編集部とちがって、作家まわりが少いから、ひけ時まで部員の顔はあらかた揃っている。青木と記代子も例外ではない。二人はそろって、姿を消す。
放二が記代子と一しょのころは映画を見たり、ビンゴをやったり、喫茶で休んだり、歩いたり、ごく月並な二三時間をすごしたにすぎない。放二自身はお酒をのまなかったが、二人のほかに飲み助のつれがあって、お酒をのむようなときには、たいがい駅にちかいマーケットのカストリ屋へ行った。フトコロのせいだけではなく、記代子がそこへ行きたがるのだ。人間の本性をムキダシにしたような猥雑な場所が珍しくて、又、酔漢にジロジロみられたり、話しかけられるのが愉しそうであった。すると記代子はいつも放二に寄り添って、放二以外の誰れのものでもないようにふるまうのが、うれしいようであった。
放二は踊れなかったが、青木のダンスはステップが美しいので、社内でも有名だった。彼が留学中に覚えたダンスで、リズムにのる姿勢や特に肩の角度やうごきがヨーロッパ風に古風で典雅であった。記代子もダンスが好きであった。二人がホールで踊っているという噂は、放二もかねて聞いたものだ。