輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁

青空文庫

心あたたかく、あくまでマジメな青年であった。珍らしい好青年と云えるであろう。

しかし彼の生き方の甘さにはついて行けない。それを許容することは、わが生き方の必死なものを、自らヤユするようなものだ。青木はてんから反撥せずにいられなかった。

記代子は青木に千円渡して、

「放二さんにお花あげて下さいね」

「ヤ。ありがとう。どんな花?」

「なんでもいいわ。花束なら」

記代子は長平のいないとき、青木にささやいた。

「私、ホッとしたわ」

「なにが、ですか」

「放二さんが死んだから。私のために死んでくれたような気がするのよ」

青木はちょッと呑みこめなくて、いぶかしげに彼女の顔色をさぐった。

「え? なんだって?」

「私はね。放二さんの生きているのが、何よりイヤだったの。願いごとをかなえてくれる魔物がいるなら、私の未来の時間を半分わけてやっても、放二さんを殺してもらいたかったわ」

「なぜさ」

「目の上のタンコブなの。なぜだか分らないけど、タンコブなのよ。まだ生きてる、まだ生きてるッて、いつも私を苦しめていたのよ」

「そうかい。それは、おめでとう」

そして、いよいよ別れるときに、青木は記代子にささやいた。