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まちはふるさと
街はふるさと
線上閱讀坂口 安吾《街はふるさと(まちはふるさと)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 193,435 字 · 389 頁
「なんだい、それは?」
「ときどき、女たちが遊びにくるのです」
放二は微笑している。長平はそれを素直にうけとった。女たち。放二は「たち」と云ったはずだ。なにか意味があるに相違ない。
「女たち、ね」
「ええ。泊りにくるのです」
「女たちがかい」
「ええ。パンパンです」
長平もちょっと二の句がつげない。この青年からパンパンという言葉をきいても、全然不釣合いで、架空の話をきかされているようである。パンパンが遊びにくる。泊って行く。アベコベだ。しかし、戦後派の神話的な現実が実存しているかも知れないので、長平も思い余った。
「君、パンパンと同棲しているのかい」
「いいえ。ときどき泊りにくるのです。あの子たちは自分の住居がありませんから。間借りしている子もいますが、宿なしの子もいるんです。お客があるときは一しょにホテルへ泊りますが、アブレると眠る家がないのです」
「どうして君のところへ泊りにくるの」
「マーケットで、自然、知りあったのです。ぼくのアパートはマーケットの真裏ですから」
「日本も変ったもんだね」
「ハア」
長平の無量の感慨は放二には通じなかった。この青年にはその現実があるだけだ。