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がいとうからみたしんとうきょうのりめん

街頭から見た新東京の裏面

杉山 萠円

線上閱讀杉山 萠円《街頭から見た新東京の裏面(がいとうからみたしんとうきょうのりめん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 89,546 字 · 178 頁

青空文庫

を帯びて来た。

彼等が「江戸ッ子」という集団を作って江戸の町々に根を卸して、最早どんな偉い人様が来ても彼等の前に頭が上らぬとなると、彼等は永久に彼等を踏み付けると同時に、自然仲間同士でもプライドの競争を始めることとなった。

彼等はその御自慢の性格や趣味を弥が上にも向上さして、あらん限りののぼせ方をした。その結果、その云うことやすることがみんな上ずって、真実味が欠けて来た。うわべは昔以上に生気溌剌たるものがあるようで、実は付け元気や空威張りになって来た。

彼等の負けぬ気は口先ばかりの腸無しとなった。彼等の奇麗好きはカンシャクとなった。率直が気早となり、単純が早飲み込みとなり、無造作が無執着となった。

彼等の中ッ腹は無知、無定見の辛棒無し……つまり無鉄砲の異名となった。江戸前の気象というのは、只鼻の先の事にばかりカッと逆上せあがる、又はほんの一刹那の興味ばかりを生命よりも大切がって、あとはどうでもいいという上っ調子を云うことになって来た。

熱い湯に這入れぬと云って山の手のものを軽蔑した。洒落がわからぬと云って学者を馬鹿にした。話が早わかりせぬと云って算盤を取るものを仲間外れにした。