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さいごうたかもり
西郷隆盛
線上閱讀芥川 竜之介《西郷隆盛(さいごうたかもり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,892 字 · 22 頁
万人に正確だと認められている無数の史料か、あるいは今見て来た魁偉な老紳士か。前者を疑うのが自分の頭を疑うのなら、後者を疑うのは自分の眼を疑うのである。本間さんが当惑したのは、少しも偶然ではない。
「君は今現に、南洲先生を眼のあたりに見ながら、しかも猶史料を信じたがっている。」
老紳士はウイスキイの杯を取り上げながら、講義でもするような調子で語を次いだ。
「しかし、一体君の信じたがっている史料とは何か、それからまず考えて見給え。城山戦死説はしばらく問題外にしても、およそ歴史上の判断を下すに足るほど、正確な史料などと云うものは、どこにだってありはしないです。誰でもある事実の記録をするには自然と自分でディテエルの取捨選択をしながら、書いてゆく。これはしないつもりでも、事実としてするのだから仕方がない。と云う意味は、それだけもう客観的の事実から遠ざかると云う事です。そうでしょう。だから一見当になりそうで、実ははなはだ当にならない。ウオルタア・ラレエが一旦起した世界史の稿を廃した話なぞは、よくこの間の消息を語っている。あれは君も知っているでしょう。実際我々には目前の事さえわからない。