輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きく

親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選

山川 方夫

線上閱讀山川 方夫《親しい友人たち 山川方夫ミステリ傑作選(きく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 67,486 字 · 144 頁

青空文庫

おさかんだな、彼はわらった。

「……望月さん、帰っているかしらね」

彼の笑いに応えるように、のんびりともう一人の娘がいった。小さく含み笑いをした。望月は、その男優の名前だった。

彼は、はじめてその娘を見た。大柄のグラマラスな身体で、でも顔はどう見てもまだ子供だった。娘は親しげに彼に笑いかけた。

「先生。……先生は独身?」

先生か。彼は苦笑していた。だが演出者をそう呼ぶのは、一つの習慣なのにすぎない。

「ああ、そうだよ」

「そう。便利ね、それなら」

娘はひどく無邪気な顔で笑った。

「君はいくつだ?」

「十九。老けてみえるでしょう? でもね、ほんとはまだ十八と七ヵ月なの」

甘えるような舌足らずの口調が、さっきいくら注意してもなおらなかったのを彼は思い出した。娘は、すこしパーみたいな感じだったが、でも気のいい性質らしく、頼まれもしないのにしょっちゅうお茶を注いだり机を拭いたりして、マメに動いていた。

娘は、頭からかぶる薄地の白いセーターを着ていて、その胸が、二つの点を中心に急に隆起している。ニコニコと意味もなく笑いつづけている。ふと、彼は、今夜はこいつと寝てやろうか、と思った。