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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

線上閱讀佐々木 邦《親鳥子鳥(おやどりことり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 88,828 字 · 181 頁

青空文庫

と浩二は勘定していた。絹子さんのは千代子が拾ったと見えて、これも郁子や敏子よりは遙かに分限になっていた。

「実に機敏だね。この分なら社会へ出ても大丈夫だ」

と言って、お父さんは笑っていた。子供連中は用意の紙に獲得物を包んで、大喜びをしながら茶の間へ下りて行った。

「何うぞ御ゆっくり」

とお祖父さんも去って、後にはお父さんお母さんと芳夫さんと僕が残った。

「ここは寒いから書斎へ行きましょう。源太郎、その座蒲団を持ってお出」

とお父さんは芳夫さんのお相手に僕を引き留めて置く積りだった。

「今夜は何うも失策ってばかりいます」

と芳夫さんは書斎の火鉢の側に坐って頭を掻いた。

「随分久しくお見えにならなかったのね。皆お達者?」

とお母さんが訊いた。

「皆ピンピンしています」

「此方は一月中病人続きで困りましたよ」

「誰がお悪かったんですか?」

「郁子と千代子と今のあの娘さんがナカナカ重い風邪でね」

「然うでしたか。あれは何処の方ですか?」

「郷里の本家のお孫さんよ。綺麗でしょう?」

「綺麗ですなあ」

「芳夫さん、お貰いになっちゃ何うです? 嫁入口を探しに出て来たんですから」

とお父さんが諢った。