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しのげんり

詩の原理

萩原 朔太郎

線上閱讀萩原 朔太郎《詩の原理(しのげんり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 153,641 字 · 305 頁

青空文庫

彼等のそこに求めるものは、ストア的律格の厳正さと、がっしりした韻律の骨組と、そしてあらゆる意志的な抑制とから、すべての生ぬるい主観を圧し、センチメンタルな情緒を殺し、それの痛烈から逆に飛躍しようとする意欲である。かの近代に於ける新形式主義の立体派等も、思うにその精神をこの同じところに基調している。故に彼等の詩の中では、常に歪んだもの、残酷なもの、意地あしきものがいて、情緒への叛逆的な牙をむいている。そして実に、あらゆるクラシカルな詩の「主観」が、この逆説なニヒリスティックの情熱に存するのだ。

故にこの種の詩は、主観を抑圧することによって、逆に却って主観を飛躍させ、情緒を苛めつけることによって、却って最も強いセンチメントを高調させる。そして実に、それ故にこそ「詩」が詩としての魅力をもつのだ。もし実に主観を圧し、情緒を殺してしまったならば、果してどこに詩の詩たる魅力があるのか。この場合には前のように、実の冷たい理智的な文学となり、精神なき形式美の造型物となる外はない。

フリドリヒ・ニイチェの哲学は、自国の独逸に於て悦ばれず、却って仏蘭西や伊太利の外国で迎えられた。