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しごとしてのにほんご

詩語としての日本語

折口 信夫

線上閱讀折口 信夫《詩語としての日本語(しごとしてのにほんご)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,401 字 · 27 頁

青空文庫

これに、沈黙・静寂など漢字を宛てて天地の無言・絶対の寂寥など言った思想的な内容までも持たせているが、われわれは詩の読者として何度この言葉にゆき合うたか。併し辞書などには、それに似た解釈をしているとしても、其は作家が辞書から得た知識だからである。古い用法では、むしろ宗教的な一種の儀礼である。無言の行とも言うべき事であり、時としては黙戯を意味してもいる。併しそう言う私自身すらも、沈黙・静寂などの方が正しい第一義である様に感じる程、詩には使い古されて来た。

「あこがれ」この言葉も明治の詩以来古典の用語例が拡げて使われた。これは「あくがれ」という形もあるのであるが、詩語として承け渡した詩人たちは「こがる」と言う焦心を表す語に、接頭語あのついたものと感じた為に、「あこがれ」の方ばかり使った。これは、王朝に著しく見える語で、霊魂の遊離するを言った。自然、それほどひどく物思いする場合にも使っている。だから、詩語としての用法は恋愛的に柔かになっているが、特殊な意味を失っている。憧憬という宛て字は、半ば当っている。

象徴派風の表現が勢を得てから、「えやみ」(疫)だとか「すゆ」