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にんしきろんとはなにか
認識論とは何か
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《認識論とは何か(にんしきろんとはなにか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 58,432 字 · 116 頁
尤も真理は必ずしも客観物ではない、単に客観性を有つにすぎぬ。だが客観物そのものとの関係を離れて、どこに客観性の根源を求め得よう。そうでない限り主観相互間の便宜的な約束乃至習慣(D・ヒューム)かそれとも先天的な約束(カント)にでも持って行く他はあるまい。
だが真理については後章にゆずるとして、認識は真であり又真理の認識でなければならぬと云ったが、之は認識の例の体系的本性を離れて考えられてはならぬ。認識は真理の獲得であり開拓であり実現であるわけで、そのプロセスが体系でもあり方法でもある。吾々は認識をそういう人間の生涯の経験を一貫するスケールに於て、ばかりでなく人類の歴史的経験を一貫するスケールに於て、理解しなければならぬ。真理の獲得・開拓・実現・のためには、認識は人間の全生活を以て機能しなければならぬ。もしそう云っていいなら、認識は極めてヒューマニスティックなものなのだ(F・C・S・シラーの「ヒューマニズム」という言葉もあるから)。それは人間の社会的活動に直接し又連関する。人々はこの関係を「認識に於ける実践の役割」と云っている。
かくして初めて、認識内容=真理内容の社会に於ける歴史的蓄積である処の、諸文化というものが理解出来る。