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ごろのろんり

語呂の論理

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《語呂の論理(ごろのろんり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,587 字 · 14 頁

青空文庫

ど及んでいないということが分る点にあるのである。

もっともそういう話は、雪国出の政治家などがいわれた方が適切なのであって、私にとってもっと面白く思われたのは、『北越雪譜』の中の理論的説明に用いられている一種の論理学であった。徳川時代といっても、天保の頃にもなれば、もう西洋の学問も入っているので、特にその頃の先進者たちの頭の中には、西洋学的な物の考え方即ち現代のわれわれの物の考え方が充分はいって来ていたようである。例えば『天地或問珍』のような本の中の自然現象の説明に用いられている広い意味での論理学は、現在の自然科学に用いられているものと、その骨組においては先ず同じものと見て差支えないようである。ところが、この『北越雪譜』の著者鈴木牧之翁は、越後の塩沢の商人で、時々商用で上京した時に当時のいわゆる文人雅客と交りを結んではいたものの、その全生涯は殆んど越後の雪の中で送られたものと見て差支えない。

こういう北陸の片田舎で育ち、西欧の自然科学的な物の考え方からすっかりかけ離れて生長した人の持っている「自然科学」の一面を見るためには、あるいは『北越雪譜』のようなものが案外良い資料になるのかも知れない。