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へんさいじょき

貢太郎見聞録

田中 貢太郎

線上閱讀田中 貢太郎《貢太郎見聞録(へんさいじょき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 29,162 字 · 59 頁

青空文庫

或は烟にむせび倒れ伏し、或は焔にまかれて忽ちに死に、或は又僅かに身一つ辛くして遁れたれども、資財を取り出づるに及ばず。七珍万宝、さながら灰燼となりにき」と書いてある。火は時時皇居も焼いた。その火は失火もあるが盗賊が掠奪のための放火もあった。その盗賊は綱紀の緩んだのに乗じて京都の内外に横行した。袴垂、鬼童、茨木、一条戻橋の鬼なども、その盗賊の一人であろう。

二 地震海嘯の呪いある鎌倉

地震の記録をあさってみると、地震は政権に従って移動しているような観がある。藤原氏の手から政権を収めていた平氏が破れて、源氏が鎌倉に拠ると、元暦元年十月を初発として鎌倉に地震が頻発した。それは王朝時代には僻遠の地として、武蔵、相模の名で大掴みに記されていたものが、文化の発生と共に細かなことまで記される余裕ができたためか、それとも武蔵、相模方面の活動期になっていたのに偶然に遭遇したためであるか。その鎌倉には幕政時代の終りごろまで百四五十回の地震があって、骨肉相食んだ鎌倉史の背景となって、陰惨な色彩をいやがうえにも陰惨にして見せた。

その鎌倉の地震のうちで大きかった地震は、建保元年五月の地震で、それには大地が裂け、舎屋が破壊した。