輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《赤ひげ診療譚(あかひげしんりょうたん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,864 字 · 44 頁
「話がわからない、要するにどういうことだ」
「その」と男は去定の顔色をうかがうように見た、「まことにあれですが、ちょっとてまえどもまで、お越し願えませんでしょうか」
「おれは中富坂までゆかなければならない、重い病人があるのだ」と云って、去定はふと登に振向いた、「保本、おまえこの柏屋といっしょにいって事情を聞いておいてくれ、おれは半刻ほどしたら戻る」
登は竹造を見た。吃竹は上わ眼づかいをしながら首を振った。しようがないでしょうな、という意味らしく、去定は彼を伴れて去っていった。
柏屋というのは、木賃旅籠で、伝通院の裏に当るなぎ町にあり、男はその宿の主人で名を金兵衛といった。蒔絵師の六助はそこに二年あまりいて、病気が重くなったから養生所へはいったのだが、二十年ちかくもまえ、――つまり蒔絵師として世評の高いころから、ふいと柏屋へやって来ては泊っていった。二日か三日のときもあれば、半月とか四十日くらい滞在したこともある。初めはどういう人間かわからず、おそらく渡世人だろうと推察していた。身妝も悪くはないし、おちついた人柄で、泊っているあいだもあまり口はきかず、少量の酒を舐めるように飲みながら、他の客たちの世間ばなしを黙って聞いている。